魔法使いに向いてる

「終わらない日常」 を超える処方箋

「社会学っぽいこと」「哲学的な言い回し」を知りたい人にお勧めの書籍やサイトを紹介する

ついつい読んでしまうブログに

日に日に言いたいことをしゃべろうとすると話が長くなる傾向にあるから、それを圧縮するために

「心理学、哲学で言うこういうことです」

みたいな知識がほしいと漠然と思ってます。

 

「何からやればいいか」はまるでわかんないんだけどね。

2017年の目標は「ハイパー青二才さん」になることです! - かくいう私も青二才でね 

という文言を発見したので

役立ちそうな書籍や記事などを紹介しようと思います。

 

かく言う私も「社会学っぽいこと」が好きなので、お役に立てれば幸いです。

目次

 

 

哲学でおすすめの本/サイト

ラッセル『哲学入門』(筑摩文庫)
哲学入門 (ちくま学芸文庫)

哲学入門 (ちくま学芸文庫)

 

 

哲学史での「何が問題になったか」「どのように論証されてきたか」が丁寧に解説されている本。哲学の概観をしっかり学びたい場合にはおすすめですが、読むのが結構大変でした。

 

『哲学用語図鑑』(プレジデント社)/『まんがで学ぶ哲学入門』(宝島社)
哲学用語図鑑

哲学用語図鑑

 
まんがで学ぶ 哲学入門

まんがで学ぶ 哲学入門

 

 

哲学史を(挫折することなく)をさくっと知りたいならこの2冊がおすすめです。

図鑑に関しては一度大きめの本屋さんで手に取るといいと思います。読んでいて楽しいですよ。

 

「Philosophy guide」

Philosophy Guides - 哲学ガイドブログ

哲学の名著の要約が秀逸なサイト。

ラッセルの『哲学入門』の方が哲学史の流れを掴みやすいですが、

「ミルの『自由論』を読みたい!」みたいに

気になる原典が決まっている場合はこちらで要約を読むといいですよ。

骨子を掴んで「この本は何を明らかにしているのか」「どのような方法でそれを論証するのか」を知ったうえでから原典にあたった方が楽に読めます。

ただしこのサイトだけでは「なぜその問題が重要なのか」が少しわかりにくいです。

その辺りはやっぱり哲学史の知識(と若干の世界史の知識)が必要なのかな~と思います。

 

社会学でおすすめの本

作田啓一、井上俊(編)命題コレクション社会学ちくま学芸文庫
命題コレクション 社会学 (ちくま学芸文庫)

命題コレクション 社会学 (ちくま学芸文庫)

 

 

社会学の「どのようなことが問題になったか」「先人はどのように論証してきたか」が命題ごとに分類され、参考文献までついている本。

数学のチャート式みたいな感じで手元に一冊あると便利です。

「命題コレクション」とだけあって、命題を眺めるだけでもわくわくします。

1 自我の社会性(G・H・ミード)
2 人間の攻撃性(K・ローレンツ
3 抑圧と文化の理論(S・フロイト
4 文化としての性差(M・ミード)
5 動機の語彙(C・W・ミルズ)
6 相関主義(K・マンハイム
7 自己呈示のドラマツルギー(E・ゴフマン)
8 多元的現実の構成(A・シュッツ,P・L・バーガー)
9 ダブル・バインド(G・ベイトソン
10 認知的不協和の理論(L・フェスティンガー)
11 ラベリングと逸脱(H・ベッカーほか)
12 預言の自己成就(R・K・マートン
13 欲望の模倣とモデル=ライバル論(R・ジラール
14 ルサンチマンと道徳(F・W・ニーチェ
15 志向のくいちがいと羞恥(M・シェーラー)
16 道徳意識の発達―義務と善(J・ピアジェ
17 結合定量の法則(高田保馬
18 外集団への敵対と内集団の親和(G・ジンメル
19 インフォーマル組織の発見(G・E・メイヨー)
20 準拠集団と相対的不満(R・K・マートン
21 多集団の交錯と個性の発達(G・ジンメル
22 寡頭制の鉄則(R・ミヘルス)
23 AGIL図式(T・パーソンズ
24 部分の機能的自律性とシス

これの哲学、経済学版もあるようです。

 見田宗介社会学入門」(岩波新書
社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

 

私は日本のまっとうな社会学(ここ重要)で一番有名なのは見田宗介なのかな?と思っています。

高校生くらいの時に読んだので本の内容は忘れてしまったんですが、

Amazonレビューの以下の文言は見田さんの著作に通底していると思います。

著者が実際現地で体験した事を交えて、世界と日本の差異を明らかにし、社会学は比較を通じて他者を明らかにする学問である事を言う。(略)
見田氏の論文の爽快さは、最初はちんぷんかんぷんで一見無関係に思える引用や用語が、結論できっちりと構造を成して姿を現すことだ。(略)

社会学の守備範囲の広さと、その社会学の宇宙の中で無限に相関しあうテーマを自分なりに組み替える作業という壮大なダイナミズムである。

 真木悠介「自我の起源」(岩波現代文庫
自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学 (岩波現代文庫)

自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学 (岩波現代文庫)

 

 見田宗介真木悠介名義で出している本。

こちらも腰を据えて読む価値があると思います(が読了してません、ごめんなさい…)。

 

以下、各ジャンルでおすすめの書籍やサイトなど。

 

【うつや労働、貧困の問題】

 向谷地生良「技法以前―べてるの家のつくりかた」 (医学院書房)
技法以前―べてるの家のつくりかた (シリーズ ケアをひらく)

技法以前―べてるの家のつくりかた (シリーズ ケアをひらく)

 

精神疾患のある人にとって自助努力って、けっこう残酷なワードだと思うのですが

この本では実際に医師やケースワーカーがどんな支援をしているかが書かれています。

本のタイトルにもある「べてるの家」というのは北海道にある、統合失調症の患者が共同生活を営んでいる場所のことです。

当事者問題に関心がある人は必ずしっている有名なところです。

 

自助努力の骨子になる「その人の、そに人による、その人のための”課題”との付き合い方」といったところを探っていくスタンスは

決して精神疾患のある人、サポートする人だけじゃなくて漠然と「なんとなく生きづらい」と感じている人にもぜひ知ってほしいと思います。

雨宮鬱子「雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった」(プレジデント社
雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった (Next comics)

雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった (Next comics)

 

 

・・・

 

証券会社の鬱経験をWEB漫画で公開して出版した人の話です。

色んな所から筆者の認知フレームの歪み(謎の正義感)が滲み出るけど

人に責められている時に焦って体が硬直したり、身体がどろっと液状化したりするような「その身体感覚わかる」という描写が胸に響きます。

決して話の筋が面白い訳ではないし絵も下手だけど、

筆者の「ぜってー描いてやる」って感じがひしひしと伝わってきます。

私怨ってこわいですね

鬱周辺の身体感覚をわかってもらいたい時に「こんな感じなんだよね」って説明するのに使えそうかな、と思いました。あとは「証券会社だけはやめとけ」って言うのに使えそう…

別にオススメじゃないけど、響くものがあったので載せておきました。

 

鷲田清一『だれのための仕事――労働vs余暇を超えて 』(講談社学術文庫)

 

だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)

だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)

 

 

現場の肌感覚を大切にする臨床哲学を提唱する哲学者のエッセイです。

読者の体験に補助線を引いてくれる、よい読書体験ができます。

鷲田清一は大学入試の評論文での出現頻度が異様に高くて

2011年のセンター試験には古民家を改装した老人ホームを切り口にした身体論『身振りの消失』が出題されています。

以下の考察ブログも面白いです。

鷲田清一の住宅&身体論「身ぶりの消失」~2011センター試験・国語: テンメイのRUN&BIKE

また鷲田清一の処女作『聴くことの力』は静かで、耳を傾けたくなるような文体。

鷲田清一『聴くことの力』

哲学者として阪神淡路大震災に直面し、「これまで哲学者は喋り過ぎていた」という自省から書かれています。

 

日本でボランティアが広がったのは阪神淡路大震災がきっかけだったらしいんですが、

「傾聴」というタームも実は阪神淡路大震災をきっかけに広がった用語のようです。

哲学者が「聴く」ことについて考察し、丁寧に分析している本って他にないんじゃないでしょうか。

個人的にはこの本にすごく感銘を受けて臨床哲学のゼミがある大学に入学*1しました。

【教育系/親や教育格差】【企業分析】

あんまり教育格差に関する知見がないのですが、

現代思想』は定期的に大学問題を特集しています。

 

  • 「大学の困難」(2008年9月)
  • 「危機の大学」(2008年12月)
  • 「大学崩壊」(2014年10月)
  • 「大学の終焉」(2015年11月)

 

 

現代思想2008年9月号 特集=大学の困難

 これを

 

こうして

現代思想2011年12月号 特集=危機の大学

 

こうなってます。悲しい。

現代思想 2015年11月号 特集=大学の終焉 -人文学の消滅-

 

永江一石

WEBマーケに精通しているお方。社会学っぽい良質のエントリーが「よもやま話」カテゴリで読めます。

www.landerblue.co.jp

またこの人は有料メルマガの発行やnote販売にも力を入れていて

コンサル業をQ&A形式にしたnoteがこれまた面白くいです。

*ただしnoteの分析は著者独自の推論に基づきすぎている場合があり、予測が外れることも割とあります。(ポケモンGOはトレード機能が実装される!とか)

 

地域格差 /地域振興】

木下斉

地方振興に関する実体験や考察がめっちゃ濃ゆい超絶スペックのお方。

書籍も4・5冊出版しているようです。

1998年早稲田大学高等学院入学、在学中の2000年に全国商店街合同出資会社の社長就任。

2005年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業の後、一橋大学大学院商学研究科修士課程へ進学、在学中に経済産業研究所東京財団などで地域政策系の調査研究業務に従事。

木下 斉 | 著者ページ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

TwitterFacebookの更新頻度も高めで、この人のお勧め本は役に立つものが多いです。

木下さんがオススメしていた「脳のワーキングメモリを鍛える」を購入したことがあります。

 

toyokeizai.net

また、 社会学関係は時事っぽいテーマが多いので情報収集には雑誌もおすすめです!

雑誌系のおすすめ

青土社現代思想
現代思想 2017年3月号 特集=社会学の未来

現代思想 2017年3月号 特集=社会学の未来

 

ただ雑誌に寄せられる社会学系の論文って「で結局何が言いたいの…」ってものが割と多いので、一冊を読み通す必要はないと思います。

タイトルで気になるやつがあればチェックして、引用している文献を芋づる式に辿っていくといいですよ。

青土社 ||ジャンル別一覧:現代思想

 

太田書店『atプラス』
atプラス31

atプラス31

 

「思想と活動」がコンセプトの雑誌。

現代思想』と比べると対談が豊富で見やすいのが特徴。

また掲載されている論文は割とカジュアル側に寄せていて「世の中で行われている活動を知る」のに適している思います。

これも面白い著者や書籍を見つけて芋づる式に辿るといいです。

atプラスweb - 「思想と活動」行動しながら考えるひとのための雑誌『atプラス』公式サイト

 

その他、一般向け社会学

社会学者はキャッチ―なタイトルで新書出しちゃう感じの一発屋*2が人目を引いてしまうのがアレですよね。

ただのコラムニストが社会学者気取ってるのはマナーがなってないというか、学術に対する敬意が足りないというか…誤解を生むのでやめてくれって感じです。

どうしてそんな輩が社会学を標榜できるのか、というと

社会学での論証方法が数理的な手続きを踏んだ演繹的なものだけでなくて

参与観察という手法、言ってみれば「現場ルポ」も経験的な方法としてある程度許容している*3かなんですよね。

 

こうした現場ルポ系の社会学

「エスノグラフィー」(民族誌と呼ばれることがあります。

このタームのルーツもなかなか面白くて、アメリカの民族政策の変遷と関係があるんですよね。

アメリカでマイノリティに対する政策をどうするのか、というのを考えるにあたって

「まずは実態調査じゃよ」

という流れになり、国を挙げて学術していたようです。このへんが日本の社会学と違いますよね。

 

 佐藤郁也「フィールドワークの技法」
フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

 

 こちらは社会学の本場、シカゴ大学で学んだ著者の力作です。

フィールドワークをする人は必読でしょうね。

もしあなたがなんちゃってコメンテーター社会学を標榜するせいで社会学を嫌いになっていたら

ぜひとも以下のエスノグラフィーで社会学者の本気を知ってください。

 佐藤郁也『暴走族のエスノグラフィー』
暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛

暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛

 

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以上、モラトリアム学生の戯言でした。

あなたの知的好奇心の取っ掛かりになれば幸いです。

 

それではまた。

 

*1:センターで二回も失敗したのは内緒です

*2: 私は某キャバ嬢の本を読んだことないけど嫌いですごめんなさい…

*3:本当は社会科学として色んな制約があるんですが、ここでは割愛しました。気になる人は「GTA」で検索してみてください。看護現場での参与観察でよく用いられる手法です

*4:私は中東情勢が割と気になる人間なので「シリア」「IS」「パレスチナ」などを登録しています。